「障がいの有無を問わず、チャレンジできる環境をつくる」という使命
チャレンジラボが掲げるのは、障がいや病気、年齢や体力的な事情によって一般就労が難しい方に向けた就労継続支援だ。「チャレンジに必要なのは意思と機会」というコンセプトのもと、横浜市内に4店舗を展開し、2022年の開所から3年で支援の規模を広げてきた。就労継続支援B型という形式を採ることで、雇用契約を前提とせずに自分のペースで働く練習ができる環境を実現している。
スタッフとご利用者様が本音で話せる関係性をつくることをチームの基本方針に置いており、「ここに相談すれば話を聞いてもらえる」という安心感がある、という利用者の声も届いているという。利用料の9割以上がゼロ負担という現実は、経済的なハードルを取り除いてその安心感を強化している。
直接受注の清掃業務が生み出す、全国水準を超える工賃
不動産・内装・廃品回収の協力会社から直接依頼を受けるハウスクリーニングやエアコンクリーニングは、チャレンジラボの収益基盤であり、利用者の工賃水準を支える柱だ。代表の尾森氏自らが清掃技術を習得して指導を担い、サービス品質を現場レベルで管理している。就労継続支援B型の全国平均工賃を大きく超える月5〜7万円という数字は、この「直接受注×代表直接指導」という体制の産物といえる。
月の3/4程度現場に出ると月10万円超を目指せる水準は、「やっただけ報われる」という声につながっている。学校のワックスがけやプール清掃など季節案件も含め、作業の種類が多いことが経験値の幅を広げている側面もある。
Webもイラストも、「得意」が作業に変わる内部の仕事
清掃以外の内部作業にも、チャレンジラボならではの幅がある。組み立て・梱包・シール貼りといった定番の軽作業に加え、Webコンテンツ制作・イラスト作成・ダイレクトメール代行といった選択肢が揃う。イラストを得意とする利用者が事業所のロゴや素材を手がけた事例は、「得意を仕事に変える」という方針の具体的な結実だ。各店舗が作業の特色を異なる形で持っているため、通う店舗によって経験できる仕事の種類が変わる。
「短時間だけ参加したい」「特定の作業に集中したい」といった要望にも個別対応しており、形が決まった支援を押しつける姿勢はない。正直、この作業の多様性は就労継続支援B型の中でも異質だと思う。
医療現場での気づきが生んだ、専門職の厚い布陣
理学療法士として在宅医療や病院に携わってきた尾森氏が、退院後の患者が「働きたいのに働けない」という現実に直面し続けた結果として立ち上げた事業所がチャレンジラボだ。その経験から、理学療法士・介護福祉士・公認心理師・精神保健福祉士という多職種構成のスタッフ体制が選ばれた。通所前から日常生活や行政手続きの相談に応じるスタンスは、「利用を始めるまで」のプロセスを支援の一部として捉えている証でもある。
受給者証の申請サポート・関係機関への連絡代行・個別支援計画の立案という入り口対応を一括で担うほか、地域包括支援センターやケアプラザとの連携で外部からの紹介も受け入れやすい体制が整っている。自社雇用を通じた一般就労への橋渡しという出口も用意されており、チャレンジラボは「入り口から出口まで」を視野に入れた設計で運営されている。

